令和2年度 栗原市立栗原中央病院 病院指標
病院指標は、当院のDPCデータを用いて厚生労働省の定義により集計しています。
◇対象期間:令和2年4月1日から令和3年3月31日まで
◇対象者:上記対象期間に退院した患者(地域包括ケア病棟のみ・療養病棟のみを除く)
◇対象外:入院後24時間以内に死亡した患者、生後一週間以内に死亡した新生児、
保険診療以外の患者(労災保険、自賠責保険、自費等)
- 年齢階級別退院患者数
- 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
- 成人市中肺炎の重症度別患者数等
- 脳梗塞の患者数等
- 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 | 0~ | 10~ | 20~ | 30~ | 40~ | 50~ | 60~ | 70~ | 80~ | 90~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
患者数 | 24 | 47 | 24 | 52 | 134 | 175 | 592 | 808 | 1,184 | 525 |
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060100xx01xxxx | 大腸ポリープ等(内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術) | 172 | 2.41 | 2.66 | 0.00% | 69.65 | |
110310xx99xxxx | 尿路感染症、急性腎盂腎炎 | 164 | 13.99 | 13.00 | 4.88% | 83.05 | |
040081xx99×0xx | 誤嚥性肺炎 | 161 | 24.70 | 20.51 | 19.25% | 86.57 | |
060340xx03×00x | 胆管結石、胆管炎(内視鏡的乳頭切開術等) | 58 | 10.64 | 9.53 | 3.45% | 78.86 | |
060335xx97×00x | 胆嚢結石、胆嚢炎(経皮的胆管ドレナージ等) | 29 | 13.17 | 17.27 | 3.45% | 77.97 |
内科では、消化器、呼吸器、糖尿病、神経疾患など幅広い疾患を診療しています。
最も多い疾患は、大腸ポリープです。1泊2日の予定入院で内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(EMR)を実施しています。次に多い疾患は尿路感染症、急性腎盂腎炎です。原因菌の特定を行い、早期から抗菌薬を投与し治療を行っています。誤嚥性肺炎は、平均年齢が86.57歳で高齢の患者さまが大半を占めています。抗菌薬を用いた薬物療法をおこない、口腔ケアの徹底や嚥下指導など摂食機能療法も実施しています。胆管・胆嚢結石に対しては、症状に合わせた内視鏡的治療を選択し高齢の方や全身状態不良な方に対しても身体への負担の少ない治療を行っています。
循環器内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
050050xx9910xx | 狭心症、慢性虚血性心疾患(心臓カテーテル検査等) | 112 | 3.29 | 3.07 | 0.00% | 70.19 | |
050050xx0200xx | 狭心症、慢性虚血性心疾患(経皮的冠動脈形成術等) | 56 | 4.96 | 4.44 | 3.57% | 69.07 | |
050210xx97000x | 徐脈性不整脈(ペースメーカー移植術等) | 53 | 8.60 | 10.56 | 1.89% | 83.72 | |
050130xx9900xx | 心不全 | 48 | 23.08 | 17.23 | 8.33% | 85.33 | |
050070xx01×0xx | 頻脈性不整脈(経皮的カテーテル心筋焼灼術) | 47 | 5.00 | 4.95 | 0.00% | 64.55 |
循環器内科では、狭心症・急性心筋梗塞などの虚血性心疾患を中心に、心不全、不整脈疾患、静脈血栓塞栓症などの診療を行っています。
狭心症や陳旧性心筋梗塞に対する心臓カテーテル検査が最も多く、2泊3日の予定入院で実施しています。心臓カテーテル検査において狭窄部位を認めた場合は、カテーテル治療による経皮的冠動脈形成術(PCI)や経皮的冠動脈ステント留置術を実施しています。3番目の徐脈性不整脈はペースメーカー移植術や移植後のバッテリー消耗などによる交換術を実施したものです。さらに頻脈性不整脈に対する経皮的カテーテル心筋焼灼術(アブレーション手術)は、東北大学循環器内科不整脈グループと協力し着実に実績を積んでいます。
外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060160×001xxxx | 鼠径ヘルニア(15歳以上)(鼠径ヘルニア手術等) | 38 | 5.03 | 4.86 | 0.00% | 72.92 | |
060210xx99000x | 腸閉塞(保存的治療) | 28 | 16.86 | 9.08 | 3.57% | 75.21 | |
060150xx99xx0x | 急性虫垂炎(保存的治療) | 23 | 7.17 | 7.17 | 0.00% | 43.22 | |
060335xx02000x | 胆嚢炎等(腹腔鏡下胆嚢摘出術等) | 19 | 7.32 | 7.23 | 0.00% | 67.05 | |
060035xx010×0x | 結腸の悪性腫瘍(結腸切除術等) | 13 | 20.08 | 16.19 | 0.00% | 72.31 |
外科では、悪性腫瘍(甲状腺・乳腺・食道・胃・大腸・肝胆膵)、動脈・静脈疾患、気胸などの肺疾患およびヘルニア、肛門疾患などの良性疾患を診療しています。
最も多い疾患は鼠径ヘルニアです。主に3泊4日の予定入院で手術を行っています。次に多い腸閉塞(イレウス)は保存的療法(腸管の減圧や輸液)を行い改善した患者さまです。保存的療法で改善しない場合や繰り返すイレウスの場合には手術を実施しています。3番目の急性虫垂炎は軽度の炎症等で抗生剤治療のうえ経過観察を行ったものです。周囲膿瘍など進展した虫垂炎には腹腔鏡下虫垂切除術を行っています。腹腔鏡下手術は、開腹術に比べて出血量や手術の傷が小さく術後の痛みも少ないため回復が早い利点があります。当科では、胆嚢炎に対する胆嚢摘出術や結腸癌における結腸悪性腫瘍手術においても腹腔鏡下での手術を取り入れています。
整形外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
160800xx01xxxx | 股関節・大腿近位の骨折(骨折観血的手術、人工骨頭挿入術等) | 77 | 42.45 | 25.09 | 5.19% | 83.99 | |
160690xx99xxxx | 胸椎、腰椎の骨折(手術なし) | 33 | 37.06 | 18.81 | 15.15% | 78.82 | |
160610xx01xxxx | 肩腱板断裂(関節鏡下肩腱板断裂手術等) | 26 | 57.69 | 17.59 | 0.00% | 67.46 | |
160760xx97xx0x | 前腕の骨折(関節内骨折観血的手術等) | 19 | 6.63 | 5.18 | 0.00% | 59.79 | |
160800xx99xxxx | 股関節・大腿近位の骨折(手術なし) | 15 | 27.07 | 15.20 | 26.67% | 79.67 |
最も多い疾患は股関節・大腿近位の骨折です。骨折観血的手術や人工骨頭挿入術を行っています。高齢者の転倒によるものが多く、術後は在宅復帰に向けてリハビリを実施しています。2番目は胸椎・腰椎の骨折です。破裂骨折や圧迫骨折など症状に応じて治療を行っています。安静により廃用が進まないよう早期からリハビリを開始しています。肩腱板断裂は、中高年以降に多く、当院では関節鏡下による手術を実施しています。整形外科では、急性期医療(手術等)が終了した患者さまには、一般病棟から地域包括ケア病棟に転棟していただき、医学的管理やリハビリを継続して行い退院後の日常生活へのアプローチを行っています。
小児科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
040070xxxxx0xx | インフルエンザ、ウイルス性肺炎 | - | - | 6.73 | - | - | |
060380xxxxx00x | ウイルス性腸炎(急性胃腸炎) | - | - | 5.86 | - | - | |
0400801199×00x | マイコプラズマ肺炎等(1歳以上15歳未満) | - | - | 5.85 | - | - | |
060390xxxxx0xx | 細菌性腸炎 | - | - | 7.43 | - | - | |
040100xxxxx00x | 喘息 | - | - | 6.46 | - | - |
インフルエンザ、RSウイルスなどによるウイルス性肺炎や下痢や嘔吐を伴う急性胃腸炎が上位になっています。また、マイコプラズマ肺炎や細菌性腸炎などの感染症が多くなっています。どの感染症も免疫力の低い乳幼児では重症化する場合があり、入院のうえ感染管理を徹底して治療を行っています。
*患者数が10人に満たない場合は、-(ハイフン)表示となります。
眼科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
020110xx97xxx0 | 白内障・片眼(水晶体再建術) | 167 | 3.00 | 2.76 | 0.00% | 77.02 | |
020250xx97xxxx | 翼状片(翼状片手術) | - | - | 3.22 | - | - | |
眼科では、白内障手術を中心に緑内障や網膜硝子体疾患等の検査・治療を積極的に行っています。
最も多い疾患は、白内障で水晶体再建術(眼内レンズ挿入)を行ったものです。当院では、高齢の方でも安心して治療を受けていただけるよう2泊3日の予定入院としています。2番目は翼状片による視覚障害に対して翼状片手術を実施した患者さまです。こちらも、2泊3日の予定入院で手術を行っています。
*患者数が10人に満たない場合は、-(ハイフン)表示となります。
皮膚科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
080010xxxx0xxx | 急性膿皮症(蜂巣炎) | - | - | 12.87 | - | - | |
070395xx99xxxx | 壊死性筋膜炎 | - | - | 16.67 | - | - | |
080190xxxxxxxx | 脱毛症 | - | - | 3.38 | - | - | |
130030xx99×0xx | 非ホジキンリンパ腫 | - | - | 9.65 | - | - | |
161000×199×0xx | 熱傷(Burn Index10未満) | - | - | 12.57 | - | - |
(令和3年4月から非常勤医師による外来診療のみとなっています。)
*患者数が10人に満たない場合は、-(ハイフン)表示となります。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 | 再発 | 病期分類 基準(※) |
版数 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Stage I | Stage II | Stage III | Stage IV | 不明 | ||||
胃癌 | 24 | - | - | - | - | - | 1 | 8 |
大腸癌 | - | - | 13 | 12 | - | 13 | 1 | 8 |
乳癌 | - | - | - | - | - | - | 1 | 8 |
肺癌 | - | - | - | 15 | - | - | 1 | 8 |
肝癌 | - | - | - | - | - | - | 1 | 8 |
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
UICCの病期分類とは、国際対がん連合(UICC)が定めた腫瘍の病期分類です。
T(原発腫瘍の進展範囲)N(所属リンパ節転移の有無と進展範囲)M(遠隔転移の有無)を評価し、各癌の拡がりと進行度をステージに分類するものです。
当院では、癌のステージや種類に応じて、内視鏡治療、腹腔鏡下手術、開腹手術、手術と化学療法の併用、化学療法、内分泌療法等を行っています。緩和ケアやリハビリテーションも積極的に行っています。
また、がん患者・家族相談支援室、がん患者・家族サロン、緩和ケアチームを設立し、専門のスタッフが様々な相談に対応しています。
*患者数が10人に満たない場合は、-(ハイフン)表示となります
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 | 平均 在院日数 |
平均年齢 | |
---|---|---|---|
軽症 | 11 | 7.82 | 56.00 |
中等症 | 67 | 18.27 | 83.52 |
重症 | 12 | 14.33 | 86.33 |
超重症 | - | 23.75 | 90.25 |
不明 | - | - | - |
【解説】
成人市中肺炎とは、通常の社会生活を送っている成人が発症した肺炎を指します。
重症度は入院時の状態を「A-DROPスコア」の5項目の合計数で評価しています。
年齢が高くなるにつれて重症度も高くなっており入院期間が長期化しています。比較的早い段階で入院治療を行い、対象者には肺炎球菌予防接種を行い予防医学にも努めています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から | 患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | 転院率 |
---|---|---|---|---|
3日以内 | 106 | 27.15 | 83.09 | 12.21% |
その他 | 25 | 53.92 | 80.68 | 4.58% |
当院では薬物治療(抗凝固療法・抗血小板療法・脳保護薬の投与等)を中心とした内科的治療とリハビリテーションの併用による治療を行っています。
発症日から3日以内の患者さまが多く平均年齢が高くなっています。原因となる基礎疾患の治療を行いながら、出現した運動麻痺、失語症・言語障害や摂食・嚥下障害などに対して速やかにリハビリテーションを行っています。
また、他院で急性期治療(手術等)を行った後、当院で継続的なリハビリを目的に回復的治療をしている患者さまもいます。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K7211 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) | 163 | 0.34 | 1.18 | 0.61% | 69.97 | |
K654 | 内視鏡的消化管止血術 | 43 | 0.95 | 17.09 | 6.98% | 82.81 | |
K682-2 | 経皮的胆管ドレナージ術 | 39 | 1.72 | 16.41 | 12.82% | 81.00 | |
K6871 | 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみのもの) | 26 | 1.35 | 16.50 | 11.54% | 74.19 | |
K6532 | 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) | 21 | 1.10 | 6.43 | 0.00% | 76.19 |
最も多い手術は、大腸ポリープに対する内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(EMR)です。次に、内視鏡的消化管止血術で、出血性胃潰瘍等の出血に対する止血術や早期胃がんに対するAPC焼灼術等が含まれます。そのほか、閉塞性黄疸や急性胆管炎に対する経皮的胆管ドレナージ術、胆管結石に対する内視鏡的乳頭切開術や早期胃がんに対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が上位になっています。
循環器内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K5972 | ペースメーカー移植術(経静脈電極) | 45 | 5.09 | 8.80 | 2.22% | 84.24 | |
K5951 | 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) | 43 | 1.14 | 3.05 | 0.00% | 65.09 | |
K5463 | 経皮的冠動脈形成術(その他) | 28 | 3.32 | 2.79 | 10.71% | 69.18 | |
K5493 | 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) | 28 | 5.93 | 9.57 | 7.14% | 72.21 | |
K5491 | 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) | 26 | 0.00 | 19.69 | 7.69% | 77.15 |
循環器内科では、除脈性不整脈対するペースメーカー移植術が最も多く行われています。2番目は、経皮的カテーテル心筋焼灼術です。アブレーションカテーテルを不整脈の原因となる場所に到達させ、カテーテルから高周波電流を流し心筋を焼灼して不整脈を根治する手術です。次いで、狭心症や急性心筋梗塞などの虚血性心疾患に対する経皮的冠動脈形成術(PCI)です。足のつけ根や手足の動脈からカテーテルを挿入し、狭くなった血管をバルーンで拡張する手術です。良好な拡張が得られない病変や再狭窄が認められる場合は、経皮的冠動脈ステント留置術により、内腔側からステントを留置し、冠動脈の血流を改善させる治療を行っています。
外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K6335 | 鼠径ヘルニア手術 | 34 | 1.41 | 2.65 | 0.00% | 72.88 | |
K672-2 | 腹腔鏡下胆嚢摘出術 | 21 | 0.86 | 5.33 | 0.00% | 67.76 | |
K718-21 | 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) | 13 | 0.85 | 4.54 | 0.00% | 31.15 | |
K7193 | 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術) | 11 | 8.00 | 15.27 | 0.00% | 72.55 | |
K7191 | 結腸切除術(小範囲切除) | - | - | - | - | - |
最も多い手術は鼠径ヘルニア手術で3泊4日の予定入院で実施しています。主にメッシュプラグ法による手術で、メッシュプラグをヘルニア脱出口の筋膜の弱い部分に入れて補強しています。2番目は、胆石性胆嚢炎、胆嚢結石症に対して腹腔鏡下胆嚢摘出術を行ったものです。腹腔鏡下手術は、開腹術に比べて出血量や手術の傷が小さく術後の痛みも少ないため回復が早い利点があります。当科では、急性虫垂炎に対する虫垂切除術や結腸癌における結腸悪性腫瘍手術においても腹腔鏡下での手術を取り入れています。
整形外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K0461 | 骨折観血的手術(大腿,肩甲骨,上腕) | 75 | 2.76 | 40.37 | 5.33% | 83.53 | |
K0462 | 骨折観血的手術(前腕,下腿,手舟状骨) | 28 | 3.29 | 32.75 | 0.00% | 64.36 | |
K0821 | 人工関節置換術(股,膝,肩) | 19 | 1.47 | 49.42 | 0.00% | 71.84 | |
K0731 | 関節内骨折観血的手術(肩,股,膝,肘) | 18 | 2.00 | 28.56 | 5.56% | 64.17 | |
K080-41 | 関節鏡下肩腱板断裂手術(簡単) | 17 | 2.29 | 48.47 | 0.00% | 67.65 |
眼科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K2821ロ | 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) | 167 | 1.00 | 1.00 | 0.00% | 77.02 | |
K224 | 翼状片手術(弁の移植を要する) | - | - | - | - | - | |
白内障に対する水晶体再建術が最も多く、高齢の方でも安心して治療を受けていただけるよう2泊3日の予定入院としています。水晶体を超音波等で砕いて吸引・取り除き、水晶体の代わりに眼内レンズを挿入します。2番目は翼状片による視覚障害に対する手術です。翼状片組織を一部切除し弁移植を実施しています。こちらも、2泊3日の予定入院で手術を行っています。
*患者数が10人に満たない場合は、-(ハイフン)表示となります。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC | 傷病名 | 入院契機 | 症例数 | 発生率 |
---|---|---|---|---|
130100 | 播種性血管内凝固症候群 | 同一 | - | - |
異なる | 25 | 0.70% | ||
180010 | 敗血症 | 同一 | - | - |
異なる | 21 | 0.59% | ||
180035 | その他の真菌感染症 | 同一 | - | - |
異なる | - | - | ||
180040 | 手術・処置等の合併症 | 同一 | 17 | 0.48% |
異なる | - | - |
【解説】
様々な基礎疾患を原因として重篤な合併症が発生する場合があります。特に、感染症、悪性腫瘍や高齢者など免疫力の低下している方の播種性血管内凝固症候群(DIC)発生率が上がっています。また、敗血症については、高齢者による尿路感染症を入院契機とした発症が増加しており、患者さまの基礎疾患を考慮に入れた抗菌剤治療を早期に開始しています。手術・処置を受けられる患者さまやご家族には、事前に治療内容や一定の確率で起こり得る合併症等を説明し、同意をいただいたうえで治療を行っております。処置後の出血や感染症のほか予防接種の副反応などが含まれています。
*患者数が10人に満たない場合は、-(ハイフン)表示となります。
当院は、人口約7万人の栗原市のなかで二次救急を担う急性期病院です。平成31年4月に宮城県立循環器呼吸器病センターの機能移管を行い、循環器内科、呼吸器内科、結核病棟を新たに開設しています。
令和2年度に当院を退院した患者さまは3,565人で、そのうち60歳以上の患者さまが全体の87.2%を占めています。地域の高齢化に伴い、急性期医療入院に加えて地域包括ケア病棟を併設し、病状が安定した患者さまに対して在宅や介護施設への復帰に向けた医療や支援を行っています。また、在宅療養後方支援病院として地域の診療所と連携を図りながら、地域包括ケアシステムの充実にも貢献すべく努力しています。